ルカ子ども発達支援ルームでは、「遊びのオーダーメイド」に取り組んでいます。でも、それって一体何ですか? 遊ぶことが発達支援なんですか?
病院の診察では、よく、いろいろなところで言語訓練とか療育とかを受けている子どものお母さんから、「あそこは、行っても遊んでばかりで、なにも訓練をしてくれないんです」という苦情を耳にすることがあります。そんなときには、もしかすると、子どもの発達を促進するために、なにか進歩が目に見えて分かるような活動に取り組ませたい、て思われているのかもしれない、と感じます。
でも、じっさいには、「遊び」には、子どもの社会性の発達を促進する、強力なパワーが秘められているんです。「遊び」を甘く見てはいけません。
なぜ遊びには発達を促進する力があるのでしょうか? じつは、人間もその他の動物も、遊びを通して、相手が敵なのか、味方なのかを判別する、という本能的な性質があります。遊びは楽しいものです。遊んでいるときには、たくさん「笑い」が生まれます。
最近、動物たちがどんなふうに遊んでいるのか、ということについて、たくさんの研究成果が得られるようになりました。動物たちは、どうやって遊ぶのでしょうか。じつは、遊びの原型は、じゃれ合ったり、身体を触れ合ったりしながら、闘いごっこのような活動をすることなのだ、ということがわかってきました。
…本物の闘いではありません。「闘いごっこ」です。
動物たちは、遊んでいるとき、相手にすこしだけちょっかいをだしたり、軽い攻撃をしたりします。すると、相手もそれに応戦してちょっかいを出してきます。でも、本気で打ちのめしたりはせず、ちゃんと手加減をします。そして、最後はちゃんと和解して関係を修復します。この瞬間に、お互いの連帯感がうまれます。
このとき、動物の「脳」には、ストレスではなくて、快楽がもたらされるということも分かってきました。
余談ですが、動物の遊びを研究している研究者たちの発見によると、ネズミも「こちょこちょ」をすると笑うらしいです。
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